そこを越えたら何かある

中学生の頃、友人が何処からか拾ってきたバイクを資材置き場に隠していた事があった。便宜上拾ってきたと表現したが、まあそういう事だ。呼び出された自分が資材置き場に行ってみると、こ汚いシートがかけられた何かの横に自慢げな友人が立っていた。２，３言葉を交わすと知人がシートをめくった。すると中にはピカピカのバイクが隠されていた。何CCだったのかは分からないが、それほど大きなバイクではい。どうしたのかと尋ねると...

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自分は、人を見送るのが大嫌いだ。これはきっと東京で過ごした学生時代の経験が元になっているように思う。夢と希望を胸の地方からやって来た友人知人達、現実を知り一人また一人と東京から去っていく。新幹線の窓越しに見える俯いた横顔、寂しそうな笑顔で手を振る同級生の姿がいまだに忘れられない。小さくなった新幹線を見送っていると、自分だけが取り残されたような、なんとも言えない空虚感と喪失感が全身に充満した。その感...

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コンビニに立ち寄ると、道路向かいが住宅展示場になっていた。普段あまり見かけないオシャレな住宅がたち並んでいる。どうしても内部が見たくなり、自分は住宅購入を検討する者だと自己暗示をかけ、いざ内覧へ。駐車場に車を止める。降りるのを待ち構えていたメーカーの人が「ささっ　こちらから　ささっ」と誘ってくるので素直に入る。さすがモデルハウス、リゾート地のホテルを思わせる内装にうっとりだ。担当者が付き一緒に内部...

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実は、かき氷を一気に食べても頭が痛くなった事がない。かき氷片手に顔をしかめながら頭に手をあてている人を見かけるが、自分には全く意味が分からない。確かに喉の奥が冷たくなった感覚はあるが、それがどうしても頭痛に結びつかない。もっと喉が冷たくなれば頭痛に辿り着くのかと思い、かなり無茶な事もした。それでもやっぱり頭痛を感じる事はなかった。どうすればかき氷が頭痛に至るのか悩んだ、かくなる上は液体窒素しかない...

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今日は伯父の告別式、火葬を待っているあいだ昼食とチーズケーキが出された。それほど火葬に立ち会った事はないが、チーズケーキが出てくるのは初めて。ちょっと珍しんじゃないかなと思う。しかもホールで出てきて、それを目の前で切り分けるというスタイル。これは完全に喪主の趣味、こんな時にまで趣味を優先する無双状態を見て消えゆく民俗文化を目の当たりにした思いだ。せっかくなのでチーズケーキを食べる。口に運び噛み締め...

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