響けホイッスル
- 2023/09/23
- 21:18
外食しようと、とあるチェーン店へ行くとお待ちの人々が店外へと溢れていた。車で待つ人もいるのでかなりの人数が待っているようだ。とはいえ今更別の店へ移動するのも面倒なのでそのまま待つ事にした。
店内で受付を済ませてから外に出る。今日は涼しくて過ごしやすいので、駐車場に立って車の往来を何となく見ていた。すると警備員が花壇の端に座りホイッスルを覗き込んでいる事に気付いた。店が誘導のため手配した警備員なのだろう。
何をやっているのかと思い、さり気なく警備員の近くに移動してみる。今までのぞいていたホイッスルをブンブンと振り出す警備員、手でトントンと数回叩いてからホイッスルを口にする。
息を吸い込みフッと吐き出す。スカッと音がした。つまりホイッスル的には音が出ていない。またホイッスルを覗き込み首を傾げる。振って叩いてを繰り返し、再びホイッスルに息を吹き込む。
スカーっと音がした。やはりホイッスルとしての役割を果たしていない。今度は腕の横に挿してあるペンを取り出した。なるほど、あれで突くんだな、と言うことはホイッスルの中にある玉っころに原因があると睨んでいるのか。
成り行きを温かすぎる目で見ていると、警備員はペンのお尻をカチカチカチカチと凄い勢いで連打し出した。そ、そんな・・・ まさかアレは・・・ シャープペン・・・ シャープペンの芯で玉っころを突き回そうと言うのか・・・ マジで?
そんなに芯を伸ばしたら穴に入れ損っただけで絶対折れちゃう。それとも何か別の目的が? 或いは自分の想像を超えた方法を駆使するとでもいうのか。これは事の顛末を見届けなくてはいけないと固唾をゴクゴク飲みガン見する。
瞬きする間にカチカチカチカチやっている。折れたんだ、だから言ったのに、本当は言ってないけど。温かい目は一度しまってほっそい目に切り替えた。切り替えている間にまたまたカチカチカチカチやっている。
諦めたら可能性はゼロだけど、諦めなければ可能性はゼロじゃないっ😠
なんて言ってる場合じゃないから。
ゼロだからソレは。
シャープペンの芯作ってる人に謝るべき案件だ。
ほっそい目もしまおう、音だけでいいやこの人は。
うんうん、まだまだカチカチやってんね。
ややして急の立ち上がる警備員。自信みなぎる顔でホイッスルを口に持っていった。どうやら音が出る算段が付いたらしい。俄には信じられないがシャープペンの芯でやってのけたのか、この難解なミッションを。
ホイッスルを咥え腰に手を添え仁王立ちだ。よほど自信があるようだ。大きく息を吸い込んだ、胸が鳩のように膨らんでいる。一瞬呼吸を止め、閉じた目をカッと見開いた刹那、肺の中に充された全ての息を吐き出すっ!
ぺぇぇなぁぁ〜〜〜〜〜〜・・・ すぅ〜〜〜〜・・・
って鳴って終わった。
あとは警備員のはぁはぁしか聞こえない。
申し訳ないない、本当に申し訳ないがアホだ。
全てが間違っている。
とにかくシャープペンの芯はない。
日本の教育制度が間違っているのか。
それとも育った環境か。
だとしてもシャープペンの芯だけはない。
呆れながらもニヤニヤだけは止まらないのが不思議だ。
あっ そうだっ 動画撮っちゃおっと。
自分がスマホを取り出すのと同時に警備員も何かを取り出した。
あれは新しいホイッスル。
え? え?
替えのホイッスル持ってんの?
あるなら最初から出せよっ
そんな声が聞こえた気がした。

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店内で受付を済ませてから外に出る。今日は涼しくて過ごしやすいので、駐車場に立って車の往来を何となく見ていた。すると警備員が花壇の端に座りホイッスルを覗き込んでいる事に気付いた。店が誘導のため手配した警備員なのだろう。
何をやっているのかと思い、さり気なく警備員の近くに移動してみる。今までのぞいていたホイッスルをブンブンと振り出す警備員、手でトントンと数回叩いてからホイッスルを口にする。
息を吸い込みフッと吐き出す。スカッと音がした。つまりホイッスル的には音が出ていない。またホイッスルを覗き込み首を傾げる。振って叩いてを繰り返し、再びホイッスルに息を吹き込む。
スカーっと音がした。やはりホイッスルとしての役割を果たしていない。今度は腕の横に挿してあるペンを取り出した。なるほど、あれで突くんだな、と言うことはホイッスルの中にある玉っころに原因があると睨んでいるのか。
成り行きを温かすぎる目で見ていると、警備員はペンのお尻をカチカチカチカチと凄い勢いで連打し出した。そ、そんな・・・ まさかアレは・・・ シャープペン・・・ シャープペンの芯で玉っころを突き回そうと言うのか・・・ マジで?
そんなに芯を伸ばしたら穴に入れ損っただけで絶対折れちゃう。それとも何か別の目的が? 或いは自分の想像を超えた方法を駆使するとでもいうのか。これは事の顛末を見届けなくてはいけないと固唾をゴクゴク飲みガン見する。
瞬きする間にカチカチカチカチやっている。折れたんだ、だから言ったのに、本当は言ってないけど。温かい目は一度しまってほっそい目に切り替えた。切り替えている間にまたまたカチカチカチカチやっている。
諦めたら可能性はゼロだけど、諦めなければ可能性はゼロじゃないっ😠
なんて言ってる場合じゃないから。
ゼロだからソレは。
シャープペンの芯作ってる人に謝るべき案件だ。
ほっそい目もしまおう、音だけでいいやこの人は。
うんうん、まだまだカチカチやってんね。
ややして急の立ち上がる警備員。自信みなぎる顔でホイッスルを口に持っていった。どうやら音が出る算段が付いたらしい。俄には信じられないがシャープペンの芯でやってのけたのか、この難解なミッションを。
ホイッスルを咥え腰に手を添え仁王立ちだ。よほど自信があるようだ。大きく息を吸い込んだ、胸が鳩のように膨らんでいる。一瞬呼吸を止め、閉じた目をカッと見開いた刹那、肺の中に充された全ての息を吐き出すっ!
ぺぇぇなぁぁ〜〜〜〜〜〜・・・ すぅ〜〜〜〜・・・
って鳴って終わった。
あとは警備員のはぁはぁしか聞こえない。
申し訳ないない、本当に申し訳ないがアホだ。
全てが間違っている。
とにかくシャープペンの芯はない。
日本の教育制度が間違っているのか。
それとも育った環境か。
だとしてもシャープペンの芯だけはない。
呆れながらもニヤニヤだけは止まらないのが不思議だ。
あっ そうだっ 動画撮っちゃおっと。
自分がスマホを取り出すのと同時に警備員も何かを取り出した。
あれは新しいホイッスル。
え? え?
替えのホイッスル持ってんの?
あるなら最初から出せよっ
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